⑫放射能

終戦記念日に母は検査を受けました。

本人はとても不安があるので

先生にお願いして、付き添うことになりました。

特殊な検査室には普通は入れません。

人体に影響がない量といえども

放射能を浴びてきました。

 

手を握ることはできないので

頭や顔や肩をなでていました。

そのうちにクラニオセイクラルのようになってきて

顎がガクガクしたり、つま先が動いたりしていました。

 

意識がもうろうとしている母ですが、

私がそばで話しかけたりしていることは

わかっていたようです。

検査というものは、わたしも大嫌いですが

怖くて仕方がない人が、たくさんいらっしゃると思います。

人の温もりや声掛けで

その不安が無くなる日がくるといいなと思います。