愛を手放さないで

今、母はホスピス病棟にいます。

崇高な愛と、

経験と技術を兼ね備えた方々に囲まれて・・・

 

在宅中は精神的、肉体的な苦痛により

眉間にしわ寄せ、

認知症や心不全の症状も進んでいた母。

 

入院して数日、

山盛りの薬もなくなりました。

点滴もチュウーブも、痛み止めもありません。

 

もちろん苦痛は全くないわけではありませんが、

ずっと穏やかな表情で眠っています。

時折、目を開けてくれるので、話しかけると、にっこり微笑んでくれます。

その表情は 今まで見たこともない、赤ちゃんのように可愛いので、

思わずギュッと抱きしめたくなります。

 

入院して一日だけ、食事を取りました。

今まで、ほとんど食べない母だったので、

主治医の先生もびっくりしておられました。

 

先生はそれと同時に心配もされていました。

亡くなる前にある、こんな時間を、「天使のはからい」・・・というのだそうです。

 

案の定、その後は、もう水も飲めなくなりました。

三倍にもむくんでいた身体が、日に日にしぼんでいきます。

何も食べない飲まないのに、生きていられるのは、

今、身体がその水分を吸収しているから。

 

母はでも、喉が渇いています。

舌をお水で湿らせてあげます・・・

もっとゴクゴク飲みたいだろうに。。。

誤嚥を避けるため、心を鬼にしています。鬼ほどではないかな・・・

 

先日、私が高熱を出して寝込んでいた時、

天国にいる母の両親に、お願いしていました。

 

母をどうにかして楽にしてください。

その方法は何でもいいですから、なにかサインを送ってくださいと・・・

 

そうしたら、ホスピスのお部屋が空き、すぐに入院。

 

私は、3年は母に会えるだろうと思っていました。

でも あと数日・・・・

 

どうして あの時わたしは

母にあんなことをしてしまったのだろう。。。と

昔のことを後悔してしまいます。

 

後悔しても仕方がありません。それはわかっています。

わかっているけれど・・・でも・・・

 

だから 今はできる限り、母のそばにいたいのです。

 

愛し合っているのなら、

愛する人のそばを 決して離れないで・・・

世間体や、世の中の刷り込みに惑わされないで。

自分は 誰といると幸せなのか。

誰と何をしていると幸せなのか。

それをこれからも素直に感じたい。